2012年6月14日木曜日

OECDのイスタンブール宣言(2007年)

最近,クライエントの満足度を測ることを,どのようにしているか?と調べてみました。ひとつ行き着いたのが「幸福度調査」。世界28カ国で組織されている,OECD(経済協力開発機構)は経済に関わる統計をどのように集めるかを調査し,話し合い,結果として残しています。経済は,数字の世界なのですが,数字をどのように表すか?どういう世界になって欲しいか?将来在るべき姿に向けて,どういうことを数字で表せばいいか,をOECDは研究しています。「幸福度調査」は,子どもたちが感じる幸福度を表しています。様々な角度から「幸福度」を数字で表していますが,日本は「幸福度」が正確に表されていません。なぜなら,子どもに対して,そういう聞き方をしていないからです。不登校になった,暴力事件を起こした,知的な能力に問題がある…どれも,大人が創りだした社会の中で,子どもがどういう状態にあるか,を表す数値です。子どもがどのように感じているか,については日本では聞いていないのです。これって,作業療法の世界でもそうだな,と感じました。
さて。そのOECDは2007年に「イスタンブール宣言」というのを出しています。これは,いわゆるポジションペーパーです。この文章が,作業療法にもとても参考になる部分が多いです。
官公庁がデータを収集しなければならない,21世紀における「進歩」の意味を自問しなければならない,ベストプラクティスを共有する必要がある,多くの社会の中で高まりつつある要求を満たすためには,全てのパートナーの参加が不可欠である,など納得できる部分が多いです。「何を」「どのようにして」「どんな意味があって」「どういう想いで」数字にしてデータを残すか。を考えさせられました。

0 件のコメント:

コメントを投稿